VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社が、2026年7月15日、所属ライバー「白雪巴」への二次被害を助長する投稿者との示談成立を発表した。匿名掲示板に投稿された誹謗中傷に対し、発信者情報開示請求が裁判所に認められ、複数人物が合計140万円の損害賠償金を支払うことで和解した。

VTuber界で頻発する誹謗中傷問題。ANYCOLORが進める法的対応の最新事例と、オンライン上の発言がもたらす法的責任を徹底解説する。

示談成立の概要

2026年7月15日、ANYCOLOR株式会社は公式サイトを更新し、所属ライバー「白雪巴」への誹謗中傷に関する法的対応の結果を報告した。

項目内容
発表日2026年7月15日
対象ライバー白雪巴(しらゆき ともえ)
対象行為匿名掲示板における二次被害を助長する投稿
法的手続き発信者情報開示請求(裁判所認められた)
示談金額複数人物で合計140万円
示談条件損害賠償金支払い + 今後の投稿禁止誓約

ANYCOLORは「開示された発信者情報を基に、特定した人物らに対して、それぞれ損害賠償請求を行った結果」と説明している。

白雪巴とは

白雪巴は、にじさんじ所属の人気VTuberだ。2025年には声帯結節の手術を受け、一時活動休止していた。

項目内容
ライバー名白雪巴(しらゆき ともえ)
所属にじさんじ
YouTube登録者数約45.8万人
主な活動配信、歌ってみた、コラボ
過去の休止2025年9月に声帯結節手術で活動休止
復帰2026年に活動再開

「外部事案に関連し」との表現から、他の騒動に端を発する二次被害であったことが示唆されている。

ANYCOLORの法的対応戦略

ANYCOLORは、VTuber保護のために複数の法的対応を同時進行している。今回の白雪巴事例は、その一環に過ぎない。

これまでの対応事例

時期対象ライバー内容結果
2025年9月甲斐田晴悪質な誹謗中傷・荒らし行為示談成立 + 書類送検 + 罰金刑
2025年10月アルス・アルマル配信荒らし発信者情報開示 → 200万円示談
2026年7月15日白雪巴二次被害を助長する投稿140万円示談

2025年10月には甲斐田晴事案で、加害者(20代女性)への聞き取り調査も実施。「強い承認欲求と日頃のストレスがあった」という動機が公表された。

対応対象となる行為

ANYCOLORが法的対応を行う行為は以下の通りだ。

  • 名誉毀損 - 虚偽の情報の流布
  • 侮辱 - 人格を傷つける表現
  • 信用毀損 - 事業の信用を損なう行為
  • 業務妨害 - 配信荒らしなどの行為
  • プライバシー権侵害 - 個人情報の無断公開
  • 脅迫 - 危害予告など
  • 著作権侵害 - アイコンやイラストの無断使用

SNS上の反応

今回の示談成立について、SNS上では賛否両論の声が上がっている。

賛成派の声:

  • 「匿名だから何でも言っていいと思っている人が多いから、この手の対応は必要」
  • 「VTuberは仮想の存在だから伤害がないと思っている人が多いが、中身は人間だ」
  • 「140万円は高い。匿名でも逃げられないという実感が広がるといい」

批判・懸念派の声:

  • 「発信者情報開示請求は言论の自由を萎縮させないか」
  • 「示談金額が高すぎて、SNSでの発言がすべて萎縮する」
  • 「二次被害の定義が曖昧ではないか」

VTuber保護と発信者情報開示請求の今

今回の事例は、VTuberという存在が抱える匿名性の問題と、それをめぐる法的保護の拡大を象徴している。

VTuberは「バーチャルアイドル」として活動するが、その裏側にはリアルな人間がいる。SNS上の誹謗中傷は、仮想のキャラクターではなく、中身の人間の精神を直撃する

ANYCOLORは「今後も当社所属ライバーまたは当社に対する権利侵害行為に対して、発信者情報開示請求の訴訟提起も含めた法的対応を複数進行している」と強調している。これは「匿名だから大丈夫」という甘い考えが通用しない時代が来たことを示している。

FAQ

発信者情報開示請求とは何ですか?

裁判所に申し立てることで、匿名の投稿者の氏名・住所・IPアドレスなどの個人情報を開示させることができる法的手続きだ。インターネット上の誹謗中傷被害者が加害者を特定するための重要な手段となっている。

今回の示談金140万円は相場としてどうですか?

複数人物での合計金額であり、個人あたりでは数十万円程度と推測される。2025年の甲斐田晴事案では単独で数百万円の示談金が支払われており、悪質さに応じた金額設定となっている。

白雪巴は現在も活動していますか?

はい。2025年に声帯結節の手術で一時活動休止したが、2026年には活動を再開している。今回の示談成立は、活動の継続を前提とした保護対応の一環だ。

VTuberの誹謗中傷はなぜ深刻なのですか?

VTuberは「キャラクター」と「中身の人間」が分離しているため、誹謗中傷が「キャラクターへの攻撃」と「人間への攻撃」の両面で被害を与える。また、ファンコミュニティ特有の執拗な攻撃がやすい環境にある。

今後VTuberへの誹謗中傷は減少しますか?

ANYCOLORの法的対応は「示談金」と「投稿禁止誓約」を組み合わせており、再犯防止効果が期待できる。ただし、匿名掲示板での投稿は完全に防止困難であり、平台側の対応も必要だ。

Sources

  • 毎日新聞「にじさんじ運営会社 所属ライバーへの誹謗中傷巡り対象者と示談成立 複数人物が合計140万円の賠償」(2026年7月15日)
  • スポニチアネックス「にじさんじ運営会社 所属ライバーへの誹謗中傷巡り対象者と示談成立」(2026年7月15日)
  • ANYCOLOR公式サイト「攻撃的行為及び誹謗中傷行為対策チーム活動報告」(2025年10月)
  • ITmedia NEWS「ANYCOLOR、VTuberへの誹謗中傷犯に聞き取り調査」(2025年10月22日)
  • MoguLive「にじさんじ甲斐田晴への誹謗中傷事案の詳細が公表」(2025年10月)

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